こんにちは、社会人メンバーの海野です!
先日投稿しました途上国に絵本を贈るイベント後は、大久保図書館の館長である米田さんに「多文化共生」についてインタビューをさせていただきました!
皆さんは「多文化共生」という言葉をご存知でしょうか。
簡単に言えば、「国籍に関係なく、1人ひとりが自分らしく生きれる社会をつくること」だと私は捉えています。
大学で多文化共生について学んでから、何かできることはないだろうかとどこかでモヤモヤしながら生きてきました。
そして、ついに多文化共生するイベントを企画することになり、今回はその参考に多文化共生について様々なご活動されている米田さんのところにお話を伺いに行きました。
米田さんは大久保図書館に来てから、これまで10年以上に渡り、様々な団体とも連携しながら地域で多文化共生に関するイベントを企画されています。
米田さんが多文化共生に自ら取り組もうと思ったきっかけのエピソードがとても印象的だったので紹介します。
それは米田さんが、地域のNPOと協力して初めて多文化共生に関する企画をした「多言語のおはなし会」でのことでした。いただいたお写真を紹介します。
このイベントは今でも定期開催しており、外国語と日本語が交互に読まれる読み聞かせなので、様々なルーツを持つ子ども達が一緒に参加できます。
当時のイベントではフィリピンにルーツを持つ少年が、絵本を母語であるタガログ語で読み上げることになりました。
最初は、少年に言葉をかけてもうつむきがちで、引っ込み思案な感じだったそうです。
しかし、タガログ語で読み聞かせの練習をするうちに少しずつ元気が出てきて、本番は30人の前でとても堂々としてやり遂げたそうです。
終わった後はガッツポーズをして、会場を楽しそうに走り回っていたとのことです。
少年は普段の生活の中で慣れない日本語で苦労していたようですが、母語を話すことで少しずつ自信を取り戻すことができたことに、大変心を動かされたそうです。
「母語教育が大切なことは知識と知っていたが、肌で感じた。大久保図書館としてやらなければいけないと思った。」
米田さんの言葉から、母語が本人のアイデンティティを支える力はもちろん、直接接触が持つ力の大きさも感じました。
続いて、図書館のキャッチコピーである「お国はどちらですか?地球です」という言葉についてお伺いしました。
「日本人も外国人も同じ人間」ということで、〇〇人というフィルターに捉われず、国同士の政治的な対立からも離れて、1人の人として向き合っていくことをとても大事にされていると、インタビューの中で繰り返し仰っていました。
これについてはとても共感できる部分で、私も日本人というのは自分の一面に過ぎないなと改めて気付かされました。
また、外国の人にとっても安心できる「居場所」のような図書館づくりを進める上で大事にされていることについて、
「自分が異国に放り込まれた時をイメージする。日本語の看板が目に入ったり、日本語で話しかけられたらホッとする。外国人だから特別扱いするのではなく、同じ目線に立つのが大事。」とのこと。
以前、読んだシリア難民の本について、彼らが異国でまず最初に目指したのが図書館とのことで、本がいかに人を支えてくれて、北欧で進む図書館が持つシェルターやセーフティネットのような役割についても教えていただきました。
多文化共生のために1人ひとりができることは何か、という問いについては
「声をかけるタイミングを探すこと」とのこと。
普段から利用者の方には声をかけるようにしており、職員にも呼びかけているとのこと。
挨拶や声をかけることは、「あなたはここにいて良いんですよ、ここはあなたの居場所ですよ」という発信にも繋がるといいます。
確かに私も留学や海外旅行中など、現地の文化やルールがよく分からなくて不安な時も多かったし、知り合いもいない中で現地の人から挨拶されたり、話しかけられるのは嬉しかったなと思いました。
私も日常の中で困っていそうな人が目の前にいるときなど、国籍問わず声をかけるタイミングを探っていきたいと思いました。
米田さんは、イベントについて「笑顔でソフトパワーで、でもガンガンやっていく」「ワイワイやって、少しずつ輪を広げていきたい」と話していて、私もイベントについて知った人や見かけた人が「何か面白そうだな」とか「みんな楽しそうだから輪に入ってみたいな」と思って気軽に参加してもらえるような企画をしていきたいと思いました。
「日本人も外国人もお互いに交流したいのに、お互いに言語の壁に阻まれている」という重要な指摘もされていて、言葉を必要としないゲームなど国籍問わず参加できるような形も考えていきたいと思いました。
形になった際は、ぜひぜひこれを読んだ皆さまにもご参加いただけたら幸いです!