事業の目的

南スーダン難民について

 南スーダンは2011年にスーダン共和国から独立した、世界で一番新しい国です。しかし、独立から2年後の2013年に国内の民族対立が発生し、2016年には政府と反政府勢力の大きな争いへと発展しました。*1 戦闘が激化による暴力や殺人を逃れるために、約200万人の南スーダン人は周辺国のウガンダ、エチオピア、ケニアなどの国へ避難を余儀なくされ、難民の数はいまだに増えているのが現状です。*2 そのうちの約90万人(全体の約40%)はウガンダに避難していており、毎日3千人もの難民がウガンダに到着しています。*1 

*1 https://www.worldvision.jp/news/works/africa/202009_southsudan.html

*2 https://www.japanforunhcr.org/activity-areas/south-sudan

事業概要

 私たちは、ウガンダの北部アジュマニ県のパギリ二ヤ難民居住区という場所で、2017年から毎年、現地で活動している団体を通じて、人道的な支援を必要とする南スーダン難民を対象に支援を実施しています。パギリ二ヤ難民居住区には2017年7月より南スーダンから移動してきた難民約3~4万人が暮らしています。18歳未満の子どもが1万7千人、そのうち1万人は両親や片親をなくしており、生活が非常に厳しい状態に陥っています。

増え続ける南スーダン難民に対応するために、国連やNGO団体による支援も行われていますが、大規模な食料配布、水の確保、トイレ建設などの生活に最低限必要なものだけの支援では個々のニーズに合った支援をすることが出来ていません。私たちは、難民1人1人が求めるものに応じたきめ細やかな支援をするために、現地で活動するNGOとともに、難民へのニーズ調査を行い、その後生活用品や勉強道具、衣服など個人や家庭がそれぞれ必要としている物資の支援を実施しました。

これまでの活動

2017年の夏から支援を開始し、現地のNGOを通して、これまでに全200世帯を超える難民に次の物資を届けました。
その中の一部は、コンフロントワールドからの資金が充てられています。

【2017】

下記の物資を50世帯へ支援

ポショ(トウモロコシを粉末状にしたもの)、砂糖、料理油、乳児用食品(ミルク)、たらい、ポリタンク、マラリア対策用蚊帳、洗剤、下着(女性用・男性用・子供用)、サンダル(大人用・子供用)、食器類、鉛筆

【2018】

下記の物資を50世帯に支援

食器類、サンダル(大人用・子供用)、毛布、下着(女性用・子ども用)、

棒石鹸、洗剤、生理用品、マラリア対策用蚊帳、ポリタンク、バケツ、ボールペン、ノート、算数用ノート、通学バッグ、トウモロコシの粉、紅茶、塩。

【2019】

下記の物資を50世帯に支援

サンダル(大人用・子ども用)、毛布、下着(女性用・子ども用)、

棒石鹸、洗剤、生理用品、マラリヤ対策用蚊帳、ポリタンク、バケツ、ボールペン、ノート、算数用ノート、通学バッグ、ポショ(トウモロコを粉末状にしたもの)

【2020】

下記の物資を80世帯に支援

・高齢者や障害者などの脆弱な状況に置かれる人々を対象に手洗い装置を設置

また、「手洗い方法」「マスクの使い方」「3密回避」の啓発ポスター3,000枚を作成し、難民居住区内または周辺地域の医療施設や店舗へ配布
(難民の方々にお伝えするために、難民居住区ではマディ語、アラビア語で作成したものを活用)


【2021】

・アジュマニ県の全村に配布する感染予防のための手洗い用ポスター印刷・ラミネート代 250枚
・公共施設等での感染予防のための手洗い設備32セット分
・県タスクフォースチームが巡回に必要な車両ディーゼル代150万シリング分
・アジュマニ県の新規難民リーダーたちの着任研修時に必要なマスク12箱
・住民の感染予防のための布マスク制作費480枚

受益者数
→啓発ポスターを見たホストコミュニティ全人口約20万人の3%である6,000人、村々と移動・交流がある難民約20万人の3%である6,000人。
→手洗い設備で協会等で32箇所それぞれ難民200人、ホストコミュニティ200人が利用し、計 難民6,400人、ホスト6,400人。
→布マスク480枚を難民240人、ホスト240人が利用。
→難民リーダーの研修で使い捨てマスクで150名に感染予防。
合計:難民12,790人、ホストコミュニティ12,640人

【2022】

・南スーダン難民居住区の小学校へ53台の机と椅子を寄贈
この机等は難民やホストコミュニティの方たちが制作した家具になりますので
地域の方たちが作った机が、地域の小学校で活用されています。
この支援により、約200名の小学生の児童が、毎回椅子を家から歩いて運ぶなど
をせずに、この学校の椅子や机を使い学校での教育を受けられるようになりました。

また南スーダン難民の女性1名が、へんとう咽頭炎及び胃食道逆流症を患い、
喉が腫れて食事も喉を通らない状態でかなり体重も減ってしまい、
UNHCRにも医療の助けを求めましたが断られたため、
この女性のリクエストにより、医療費をサポートいたしました。